
結果、体力を消耗するので、風邪などの病気にかかったりします。
また、湿度は冬で四〇%、夏で六〇%が快適で、乾燥すると喉などの粘膜を弱くし、風邪などのウイルスに抵抗をなくします。
船は鉄板ですから、強い風と冷気は、普通の家に比べて極端に激しく伝わってきます。
特に、氷雨や雪が吹き付けたときには熱がどんどん奪われます。
暖房装置でそれに対抗しなければなりません。
しかし、スチームや電気のヒーターで暖房する船は、その周辺しか温まりませんし、空調設備のある船でも、各部屋で庫量を調整するので風量が安定しにくいことや、特に風量が減ったときなどに長いダクトの中で温度が低くなるなど、どうしても温度にバラツキが出てしまいます。
機関室近くの部屋は暖かく、船橋に近い部屋は寒いといったことがよくあります。
また、暖房すると空気がかなり乾燥してしまいます。
例えば、零度で湿度一〇〇%の空気を四〇度に暖めると、湿度は一〇%になってしまいます。
乾燥しても洗濯物がすぐ乾くのはありがたいことですが、風邪気味になったときなどはつらいものです。
このような問題を解決するには、簡単に湿度調節ができる設備にすることが根本的な解決ですが、今の設備でもできる工夫を考えてみようと思います。
まず、気温が低いときに、外気温と船内各所の温度を測ってみてください。
湿球温度計はきれいなガーゼが薄く巻かれて、水に浸かっているかどうかを確かめてくたさい。
乾球温度が二〇〜二二度、湿球温度との差が六〜八度になっていますか。
次に、暖房器具の能力と外気温と室内温度の関係をみて<たさい。
加湿装置がある船は、湿度の関係もみてください。
これで、おそらく暖房能力がうまくいかない場所がみつけられるでしょう。
各部屋の風量を加減して、最もよい風量を把握してください。
そして、個室の風量調節についてみんなの共通の理解をしてもらい、できるだけ最適な送風を心掛けてもらうようにします。
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